今回はMT4に標準で搭載されているAwesome Oscillator(オーサムオシレーター)について解説します。
RSIやMACDほどメジャーなインジケーターではありませんが、どのチャートソフトには最初から入っているほど有名です。
「あれ?そんなインジMT4にあったけ?」と思っている方も、OwsomeOscillatorについて詳しく知れば、きっと使いたくなるはずです。
Contents
Awesome Oscillator(オーサムオシレーター)の概要
Awesome Oscillatorは、テクニカル指標の開発者として有名な「ビル・ウィリアムズ」によって考案されたインジケーターです。
下のチャートにもあるように、Awesome Oscillatorチャートに入れると、サブチャート部分に緑色と赤色の連なったヒストグラムが表示されます。
ヒストグラムは、ゼロラインを起点としていて、ひとつ前の値よりも上昇していたら緑色のバーとなり、逆にひとつ前の値よりも下落していたら赤色のバーが表示されます。
相場が上昇するとゼロラインを上抜け、逆に下落するとゼロラインを下抜けるため、ゼロラインを起点としてトレンド方向を見える際に便利です。
詳しい使い方については後述しますが、とてもシンプルな見た目をしています。
MT4でのAwesome Oscillatorの表示方法
オーサムオシレーターはMT4にデフォルトで入っていますので、新たにインジケーターを追加する必要はありません。
表示方法は超簡単です。
インジケーターリスト内にある「ビル・ウィリアムズ」の項目の中にある「Awesome Oscillator」をクリックすると、チャート上に反映されます。
特別なインジケーターをインストールする必要なんてありませんので、初心者の方でも楽勝です。
Awesome Oscillatorのロジック
Awesome Oscillatorは変更できるパラメーターが無く、何とも不思議な印象がありますが、実は2本の単純移動平均線を利用しています。
- SMA5
- SMA34
SMAの計算に使う値は終値ではなく中間値を使う。
(中間値とは高値と安値の半値)
SMA5とSMA34を一緒に表示すると分かりやすくなります。
(黄色いラインがSMA5、赤いラインがSMA34です。)
どうでしょうか?見えてきませんか?
そうです。Awesome Oscillatorは、SMA5とSMA34の「差分」を表示しているのです。
- 2本のSMAがゴールデンクロスしていたらAwesome Oscillatorは0ラインを上回る
- 2本のSMAがデッドクロスしていたらAwesome Oscillatorは0ラインを下回る
- 2本のSMAが近づいたら、ヒストグラムが赤色になる(0ラインより上の場合)
- 2本のSMAが遠のいたら、ヒストグラムが青色になる(0ラインより上の場合)
例えば、2本のSMAがクロスした個所に縦線を引いてみると、Owesome OScillatorではゼロラインを跨いでいるポイントになるのです。
つまり、Awesome Oscillatorは2本の移動平均線の距離関係を示すインジケーターです。
Awesome Oscillatorのロジックが分かれば、必然的に使い方も見えてきますね。
Awesome Oscillatorの使い方
Awesome Oscillatorでわかることは以下の3点です。
- トレンドの始まりと終わり
- トレンドの勢いや強弱
- トレンドが転換するポイント
それぞれについて解説していきます。
トレンドの始まりと終わり
Awesome Oscillatorはゼロラインを基準にして上下します。
そのゼロラインは、SMA5とSMA34のクロスしたポイントですから、「ゼロラインよりも上⇒上昇トレンド、ゼロラインより下⇒下降トレンド」と判断することが出来るのです。
例えば、ゼロラインより上を推移している状態からゼロラインを割ってきた場合は、上昇トレンドが終わり、下降トレンドが始まったと解釈できるのです。
トレンドの勢いや強弱
Awesome Oscillatorの色に着目すると、トレンド方向への勢いや強弱もわかります。
例えば、緑色のバーが勢いよく伸びている局面では、トレンドが加速していると判断できるのです。
上のチャートの中盤以降のように、緑色のバーから赤色に変わった際には、「勢いが落ちてきている」ことも視覚的に簡単に判断できるんですね。
つまり、ローソク足だけでは少し不鮮明なトレンドの強弱が客観的に分かるわけです。
トレンドが転換するポイント(ダイバージェンス)
Awesome Oscillatorはオシレーター系ですので、「ダイバージェンス」が発生することがあります。
ダイバージェンスとは、実際の価格の動きとオシレーターの動きの逆転現象のことです。
例えば、価格は高値を切り上げているのに、オシレーターは価格を切り上げていないといった状況のことを言います。
ダイバージェンスが発生すると、トレンドが切り替わる可能性が高く、多くのトレーダーがダイバージェンスを意識しています。
では、Awesome Oscillatorのダイバージェンスの例をご覧ください。
価格自体は高値を切り上げているのに、Awesome Oscillatorは高値を切り下げています。
そして、ダイバージェンス発生後は下落に向かっています。
価格は安値を切り下げているのに、Awesome Oscillatorは安値を切り上げています。
ダイバージェンス発生後はトレンド転換して上昇しました。
このようにダイバージェンスを意識することで、トレンドの転換点も見えてしまいます。
ダイバージェンスはテクニカルの中でも特に優位性が高いのでお勧めです。
Awesome Oscillator(オーサムオシレーター)まとめ
では最後にオーサムオシレーターについてまとめます
- 2本のSMAから構成される
- トレンド方向が分かる
- トレンドの勢いが分かる
- トレンドの転換点が分かる
ロジック自体はシンプルですが、シンプルな分だけ汎用性が高いです。
さすがMT4にデフォルトで搭載してあるインジケーターです。
ぜひ使ってみてくださいね。
ちなみに、パラメーターを変えられるオーサムオシレーターのインジケーターもあります。
以下のサイトをご覧ください。
マルチタイムに対応したオーサムオシレーター「Awesome (arrows + alerts + mtf) 1.04」
パラメーターを変更することで、好みの動き方に変えられます。
もっと動きをゆっくりにしたかったり、早く動かしたいと思う人はカスタムインジケーターを利用されることをお勧めします。