今回は移動平均線乖離率を使った逆張り手法について解説します。
「移動平均線乖離率(いどうへいきんせんかいりりつ)」という文字だけを見ると少し複雑に思えますが、簡単に言えば移動平均線と価格がどれだけ離れているか?を見る指標です。
移動平均線と価格は近づいては離れて、また近づいて・・・を繰り返します。
それならば、両者が大きく離れて、距離が最大限まで遠くなったところで逆張りすれば勝てるのではないか?ということをコンセプトにした手法です。
本記事ではMT4用の乖離インジケーターを利用してサイン型インジケーターを作成し、バイナリーでも利用できるか検証していきました。
なかなか良い結果が得られましたので、是非ご覧ください。
移動平均線を使った手法の中で有名ながらも難しいとされる手法ですが、使いこなせるとかなり稼げるということになりますね。
Contents
移動平均線乖離率とは?
移動平均線乖離率とは、移動平均線と価格の距離がどれだけ離れているかを示すオシレーターです。
このチャートではメインチャートに25SMA、そしてサブチャートに25日移動平均線乖離率を表示しています。
ローソク足チャートのSMAとサブチャートのオシレーターを見比べてみてください。
価格と移動平均線の距離が離れるほど中心の0から離れていき、逆に価格と移動平均線がクロスしていると0になります。
移動平均線乖離率は価格が移動平均線よりも大きく上にあればあるほど乖離率は上昇し、逆に価格が移動平均線よりも下にあればあるほど乖離率は下落します。
移動平均線乖離率の計算式は以下の通りです。
移動平均線と価格の関係性
移動平均線と価格は面白い関係性にあります。
それは、お互いに近づいては離れ、離れては近づくという関係です。
このチャートを見ると黄色い移動平均線とローソク足が近づいて、クロスして、また近づいて・・・を繰り返しているのが分かります。
チャート下の移動平均線乖離率を見ると、0を境に上下しています。
こうやってみると、相場のサイクルが分かりやすくなりませんか?
レンジ相場に限らず一方向に続くトレンド相場であっても、移動平均線は近づいて離れてを繰り返します。
このチャートでは右肩上がりの上昇トレンドですが、価格が定期的に移動平均線に近づいては反発して…を繰り返していますよね。
つまり、トレンド相場であっても、価格と移動平均線は極端に離れることは無いということになります。
ある程度離れすぎると、お互いが歩み寄ってくるのです。
このように、価格と移動平均線はトレンドでもレンジでも近づいては離れて・・・・の動きを繰り返すのです。
この法則性に基づいて、価格と移動平均線が離れすぎたところで逆張りしたらどうだろうか?という発想のもとに生まれたのが今回ご紹介する移動平均線乖離率を利用した手法になります。
移動平均線乖離率を利用したバイナリー戦略
移動平均線乖離率を利用した手法は、価格と移動平均線が離れすぎたところを逆張りで狙います。
そこで、25日移動平均線乖離率が一定値を超えたらサインの出るインジケーターを作ってみました。
下のチャートはポンド円5分足で、移動平均線乖離率が0.15を上抜け、もしくは-0.15を下抜けしたら逆張りのサインが出るようにしています。
どうでしょうか?
ピタリと相場の天井と底を当てていますよね。
しかし、トレンドの勢いが強い時は、下のチャートのようにサインが連続してしまうこともあります。
移動平均線乖離率を使った手法は有名で簡単に勝てるような印象がありますが、実は、通貨ペアや時間足、ボラティリティによって反転しやすい値は変わってきます。
つまり、移動平均線乖離率で勝つためには、通貨ペアや時間足についてしっかりと検証しておく必要があります。
移動平均線乖離率のインジケーターについて
移動平均線乖離率のインジケーターのダウンロードリンクは以下になります。
ファイルには以下の2つのインジケーターファイルが入っています。
- kairi
- kairibinary
それぞれについて解説します。
kairi
移動平均線乖離率を表示するシンプルなインジケーターです。
パラメーターでは、3点について変更可能です。
- MA_Period:移動平均線の期間
- MA_Method:移動平均の計算方法(0:SMA、1:EMA、2:SSMA、3:LWMA)
- APPly:適用価格:(0:終値、1:始値、2:高値、3:安値)
オシレーターの単位は通貨ペアによって異なります。
ドル円なら円、ユーロドルならドルになります。
kairibinary
移動平均線乖離率が一定値を抜けるとサインが出るインジケーターです。私が作成したものになります。
サイン点灯時にはアラートやメール送信機能が使えます。
- MA_Period:移動平均線の期間
- MA_Method:移動平均の計算方法(0:SMA、1:EMA、2:SSMA、3:LWMA)
- APPly:適用価格:(0:終値、1:始値、2:高値、3:安値)
- 買われすぎ:売りシグナルの出る移動平均線乖離率の値(この値より上でサイン)
- 売られすぎ:買いシグナルの出る移動平均線乖離率の値(この値より下でサイン)
インジケーターのMT4へのインストール方法は以下の記事をご覧ください。
色々とパラメーターを変更して、ベストなサインを出そう!
今回は移動平均線乖離率とそれを使った手法について解説しました。
配布するインジケーターを利用して、色々なパラメーターでテストすると、通貨ペアや時間足に合った値が見つかるかと思います。
それを利用すれば、ピンポイントで相場が反転する個所が見えてくでしょう。